はるか遠い昔、北方の広大なる森の中に二人の兄弟が治める二つの小国がありました。
兄王のロマンシア王国と、弟王のアゾルバ王国。二つの国は長らく平和な日々を送っていました。
ところが、ロマンシアの王女セリナの誘拐をはじめ、戻らぬ王女救出隊、病が流行り出すなど、各地でさまざまな異変が起こるようになります。
それからしばらく経ったある日のこと、ロマンシア王国に一人の若者がやってきました。ロマンシア、アゾルバの両国を囲む「冒険の森」に迷いこみ、その末に辿り着いたファン・フレディ王子は、この国に異変が起こっていることに気付きます。
今、彼はロマンシア城の前にいます。王にあって話を聞くも良し、城に入らずセリナ姫の探索に出るも良し。後戻りの出来ないファン王子の冒険はここから始まるのです。
ドラゴンスレイヤーシリーズ第3番目の作品。
同シリーズのナンバリングは「ドラゴンスレイヤーJr」。
プログラムが88のオンメモリ(64KB)に収まるコンパクトさ故に“Jr”と付けられたらしい。起動時にデータを読み込んだ後、一切ディスクアクセスしないなど高い技術力に感心したものだ。(のちにドラゴンスレイヤーⅢと改められる)
画面やマニュアルなどのライトな印象とは裏腹に、パッケージに書かれた「難易度、星6つの脅威」が物語る通りの高難易度を誇る。
その難しさは今なお語り草で、当時のPCゲーム価値観「高難易度=良作」の末期を代表する作品の一つだと思う。
ハマりは当たり前で、プレイヤーを阿鼻叫喚の渦に巻き込んだ。
高難易度がPCゲーム市場で受け入れられていた背景には、PC所持者の年齢が高かったというだけでなく、安いとはいえないソフトをどれだけ長く繰り返し遊べるかという理由の他に、当時のゲームというものがアーケード中心の世界だったことが考えられる。
アーケードゲームは、短い時間でゲームを楽しませつつ、プレイヤーに硬貨をどれだけ投入させるかが利益にとって重要であるために適度な難易度を要求されたが、それもプレイヤーの技術が上がるにつれて高難易度になっていった。
ある種の悪循環である訳だがプレイヤーはそれに疑問を持たなかったし、ゲームとはそんなものだと思っていた。
そして質の悪い家庭用ゲームではなく、ゲームセンターなどの特殊な場でしか遊べないアーケードゲームに憧れ、家庭に持ち込みたい欲求をゲーム好きなら誰もが持っていた。
とはいえ個人が持てるパソコンではスペックが遠く及ばず、アーケードゲームを家庭へ手軽に持ち込むのは極一部を除けばまだ困難だった。
本作はそんな中でも何とか家庭でアーケードゲームを楽しみたいと考え作り出されたゲームの一例という事なのだろう。
[ 2 ] [ 4 ] [ 6 ] [ 8 ] | プレイヤの移動。 |
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メーカー名 | 日本ファルコム |
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開発元 | 日本ファルコム |
英語表記 | Romancia -Dragon Slayer Jr- |
機種 | PC-8801/SR |
発売日 | 1986年 10月 30日 |
価格 | 6,800 円 |
ジャンル | ロールプレイング アクション |
メディア | FD 5.25" 2D ( 1 枚 ) |
閲覧数 | 23,099 回 |
人気ランク | 207 ポイント |