聖地イシュ・バーン。そこはかつて生きるもの全ての楽園だった。しかし、何者かの手によって大地に呪いが掛けられ、力無きドラゴンは次々に倒れ死に絶えた。
やむなく聖地を追われることとなった彼らは次元の壁を越え、かの地「ドラゴン小国」へと逃げ延びることになるのだが地中深くに篭り留まろうとする者もいた。だが、ほとんどが呪いから逃れられず死んでいった。
それから時は流れある日、海岸に難破船が打ち上げられた。次元に隔たりのあるイシュ・バーンから流れ着いただろうことにドラゴン達はとても驚いた。しかもその船には生存者がいたのである。助けられた女の子は「タムリン」と名づけられ、同じ年頃の幼きブルードラゴン「アトルシャン」と共に育てられた。
やがて12年が過ぎ、タムリンは美しい少女へ、アトルシャンは逞しきブルードラゴンへと成長した。だが白龍は仲睦まじき二人の姿に「やはり人間は人間の中で生きるのが一番幸せなのではないか」と考えるようになり、彼女も自分を思いやるその意思を汲み、夕陽が辺りを包む中アトルシャンに別れを告げた。
タムリンの思いを受け止めたアトルシャンは自らの角を掴み折ると「この角で笛を作り、困った時に吹くように」と言い付けて彼女に手渡す。
翌日、タムリンは彼の角とそれに込められた思いを胸にイシュ・バーンへの帰路に就くのだった。
その頃イシュ・バーンは何処からともなく現れた魔軍によって破壊と殺戮が繰り広げられていた。イシュ・バーン唯一の王国エルバードから西の主戦場に軍が派遣され15年にもなろうとしていたが両軍の力は拮抗し戦いは収まる事を知らなかった。
そしてタムリンがドラゴン小国からイシュ・バーンへ戻って3年の月日が流れる。
かつて聖地と崇められていたイシュ・バーンは、魔王ガルシアの率いる魔軍と、人間から寝返った魔将軍オストラコンにより蹂躙され、もはや荒廃していく一方にあった。人々が恐れ戸惑う中、タムリンは一人決意を固めた。今こそあの角笛を吹く時だと確信したのである。
PC-88/98版のヒットを受け、翌年発売された移植版。
当時、オープニングで使用されている木村明広が新たに描き起こしたX68000ならではの多彩な絵が雑誌に掲載された時、88ユーザーは悔しい思いをしたのだが……後日発覚する内部騒動で落胆することになる。
当初、グローディアのメンバーはPC-88/98版の制作終了をもって解散する予定であったが、作品の売れ行きに気を良くしたことでソフトハウスとして継続を決定する。
これに異を唱えるメンバーらは離脱。「ライトスタッフ」を立ち上げる。この中に木村明広も含まれたため、一部の絵を除いて桑園琢也が担当することになった。
バグが無い等の技術的な評価は高いが、木村が抜けたことでビジュアル面で一段グレードが下がるため、パッとしない存在になってしまった。これさえなければ全機種通しての決定版となっていたことだろう。
[ MOUSE ] | プレイヤの移動など操作全般。 |
[ 2 ] [ 4 ] [ 6 ] [ 8 ] / [ CUR ] | プレイヤの移動。 |
[ ESC ] | メニューを開く。 |
[ RET ] | コマンドの決定。 |
メーカー名 | グローディア |
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開発元 | グローディア |
英語表記 | EMERALD DRAGON |
機種 | X68000 |
発売日 | 1990年 12月 |
価格 | 9,800 円 |
ジャンル | ロールプレイング |
メディア | FD 5.25" 2HD ( 6 枚 ) |
閲覧数 | 25,192 回 |
人気ランク | 110 ポイント |