妖精たちに見捨てられた地、アルカサス王国。精霊の加護を失った大地は調和を失い、部族間の争いが耐えない荒れた世界へと変貌を遂げた。
その王国の片隅で、木こりの息子であるジェダ・チャフは、彼の父の墓前で別れを告げていた。彼の父がかつてそうであったように、騎士になるため旅立とうとしている。気ままな旅になるはずだったが、これもまた大きな運命の流れの中のひとつであった。
経験値・レベルアップという概念を取り払い、ストーリーに集中させると言う、ジャンルの根底を覆すような斬新な切り口のロールプレイングゲーム。
割とオーソドックスな3Dダンジョンスタイルでゲームは進行する。冒頭にあるように、本ゲームには経験値というものが存在しない。よってレベルアップもしない。一応、キャラクタのパラメータは存在するが、ヒットポイントと装備による修正ぐらいである。ではどうやって強大な敵へ立ち向かうか? それは「個別のモンスターに対する熟練度で成長」するのである。
仮にスライムと戦う場合、1度目は慣れていないためスライムでも苦戦する。だが、何回もスライムと戦闘を重ねることで熟練し、スライムに対して強くなっていくというものだ。ただし、この熟練度は「隠しパレメーターで画面上表示されない」ため、どのぐらい熟練したかはプレイ上の手応えでしか判らない。
これを是とするか否とするかはプレイヤー次第だが、当時、否という意見が多数を占めた。
その理由として、以下の点が挙げられる。
* RPGの大きな楽しみの一つは「キャラクタの成長」にある。
熟練度による成長はあってもステータス値の上昇が無い為、イマイチ面白味に欠ける。
* 戦闘による報酬が無いにも関わらず、敵との遭遇率が高い。
意味の薄い戦闘が永遠に繰り返されので、すぐにダレる。
* 物語がどれほど進展しようとも雑魚敵との遭遇は、初見であれば苦戦を強いられる。
ゲームは最初から最後までシビア。要するに自分の強さを最後まで認識できない。
* ダンジョンが意味も無く広い。
レアアイテムなどが収集できる訳ではなく、広いだけで本当に何も無い。
「リアルさの追求」というウルフチームらしい斬新なシステムではあるが、ゲームを楽しむという意味では、残念ながら軸がブレていた様に感じる。これが「コリドール(光栄)」や「アドヴァンスト ファンタジアン(XTAL SOFT)」「ファンタジー(STAR CRAFT)」「クォータースタッフ(STAR CRAFT)」などのような方向性であれば、また話が違ってきたであろう。
マイナス点ばかり目に付く試みが多い中、面白いと感じる試みもいくつかある。
例えば街の酒場などでは、相手に話しかけることなく客の談笑が絶えることなく聞こえてきたり、アイテムショップでは、ローグライクゲームのMoriaやAngbandのように値段交渉が出来たりした。
[ 2 ] [ 4 ] [ 6 ] [ 8 ] | プレイヤの移動。メニューの選択。 |
[ SPACE ] | メニューの決定。 |
[ RET ] | ダンジョン内でメニューを開く。 |
メーカー名 | ウルフチーム |
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開発元 | ウルフチーム |
英語表記 | ARCUS |
機種 | PC-8801/SR |
発売日 | 1988年 5月 |
価格 | 7,800 円 |
ジャンル | ロールプレイング |
メディア | FD 5.25" 2D ( 3 枚 ) |
閲覧数 | 49,578 回 |
人気ランク | 120 ポイント |